紅くるりの画像

みなさん今日は、七ツ森の佐藤です。すっかり秋の空気になりましたが、最近の秋は僕が幼いころより足が早くて短いように感じます。

少しずつ紅葉も出始めた昨今ですが、夏野菜から秋野菜の切り替えで大忙しです。

秋はキャベツやレタス、小松菜にほうれん草と葉物野菜が主な商材となりますが、ただ消費される常備野菜だけでは日々の暮らしも楽しくありません、そこで七ツ森では色々な新品種の栽培に毎年挑戦しています。

ポリフェノールたっぷり!注目されている新しい大根「紅くるり」

今作っているのは「紅くるり」、中の方まで鮮やかな紅色になり、サラダやスープを色彩豊かにしてくれる大根です。

出始めの頃には中々売れませんでした。ただし他に類のない鮮やかな発色と良い食味は、必ずリピーターを作ると確信して地味に少量ながら作り続けて来ました。

紅くるりの料理

そして昨今ではポリフェノールの多さが注目されて知名度が上がってきました。

地元の加工食品の業者様からも、うちの「紅くるり」のドレッシングを作りたいとオファーを頂いたりと、地元近辺の話ですが「紅くるり=七ツ森」と認知され始めています。

特に大きな売上にはなりませんが、商品の選定からブランディングまでの基本的な流れのを踏襲するには、一点の個性がはっきりした商材が良いように思います。必要な知名度の獲得は出来たので、今年の秋は大人しく「紅くるり」の丁寧な供給を心がけるのがミッションです。

国内生産量の80%!約100年の歴史を持つ竹田のサフラン栽培

サフランの花の画像

そして、竹田市の秋の作物にスパイスとして有名な「サフラン」があります。

竹田市のサフランは明治の頃より100年以上薬用に栽培されて来た、生薬としての作物なのですが、問屋の限定と生薬のみとしての認知の故に「サフランを楽しむ文化」が全く育って居ません。品質は最高なのですが昨今では中国で竹田市の栽培方法が広まり価格も下落し、栽培農家も生産を止めるところが多く、わずかな戸数で細々と続けてるのが現状です。

七ツ森はそんな次節に新しくサフランの栽培を始めた新興のサフラン農家です。自分たちの場合は最初から薬用としてのサフラン栽培ではなく、地元の特産品としてのブランディングを目指した戦略作物としての栽培でした。

殆ど売れません、はい、使い道が巷でもパエリアとブイヤベースくらいしか知名度がなく、また手の込んだ料理、文化的に慣れていない料理が殆どだったりと、日本人が好んで買いに来るような物では無いのが現実です。

世界最高品質なのに地元の人も知らないマイナー作物!?

また、効果効能を唄うと、薬事法に引っかかる薬用成分の塊のような植物なので「健康によい」とも書けないし、何ともしがたい商品なのです。

さらにびっくりですが、地元の人でも竹田産サフランが日本の80%のシェアを持ってて、世界でも最高の品質と言われていると言うことを知らないくらいマイナーな品物をどうやってブランディングして行くか、色々試しています。

地元のイベントで飲食の企画を聞けば売り込みに行き、加工品の話を聞けば売り込みに行く、華やかなパッケージをデザインして道の駅で観光客に売る、球根が土に植無くても花が咲く特性を活かしてファンシーなデコレーション鉢植えを作って配ってみる等など、何をやっても人件費が出る値段では売れないんですけどね(笑)

かわいい鉢植えの画像

ただ、とても花が可愛いんです。毎年その花と香りに包まれて作業するのが楽しみなので、ずっと続けて行きたいなと思う作物です。

そんな半分趣味の文化として栽培される作物になってくれても良いのかな?と思っています。

今回は、なんの変哲もない、農家のお話でした。次は農家のお料理レシピでも書こうかな、需要ある?


佐藤 裕治|Satou Yuuji

NANATSUMORI AGRICULTURE .LCC 本部長
大分県竹田市にあるトウモロコシの一大産地「菅生」で無農薬無化学肥料の農業をやっています。

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